企業のプロフィール

  • 名称:くみやま学習塾、英会話教室
    種別:塾(個別指導)、塾(集団指導)、語学スクール
    指導対象:小学生、中学受験、中学生、高校受験、高校生、大学受験、大人
    指導科目:算数、数学、文系数学、理系数学、英語、英会話、理科、社会、倫理、国語、小論文 英語
    住所:京都府久世郡



ハンドルネーム:くみやま学習塾さんのブログ

Long Sighted

2022年2月18日 22時48分

 この学習塾の公式LINEアカウントはHP上にも表示されていますが、どうやらメッセージの自動応答機能がONになっていたせいで、お返事が大変遅れたケースが複数ありました。申し訳ございませんでしたm(__)m 

 今日もせっせと小・中の指導。ご家庭に伺っての指導で、今日は生徒がテスト範囲のプリントを持って帰ってきた。英語に関しては今現在「比較級・最上級」をやっているらしい。学校の問題集をわすれたというので、手元にあった別の問題集の同じ範囲をやってみた。すると1ページを終える前に彼はイライラし始め、集中力が著しく低下した。それも当然、「できない」からである。普段やっている1年生のワークはルンルン気分で90分の間に10ページも終わらしてしまうにもかかわらず・・・。

 中学生の指導スタート時点は6割が2年生、2割が3年生、残り2割が1年生といった具合です。その殆どがやはり「成績が落ちた」なわけですが、落ちた理由は「付いていけなくなった」で、さらにその理由となると様々です。ただ粗方「学校のスピードに付いていけなくなった」という理由ですが、それは個人差+学校で使っている教科書を見ればわかります(もしくはその学校が公or私)。

 実際問題、彼らのほとんどは私立の中学校に行っているのですが、2割は公立でわりとスローペースでも付いていけない学生も出てきます。ともあれ全ての学生に絶対的に共通して言えるのは、今現在やっている単元をやってもあまり意味がないということです。またそれは決まった教科のお話で、つまりは英語・国語・数学です。

 よく「テスト前なのでテストの範囲を集中的に」と仰るのですが、これはいつも躊躇なしに申し上げる通り、逆に遠回りになってしまいます。たとえば中学2年生でついていけなくなった学生が、家庭教師についてもらって現在進行中の単元から始めたのでは、英語で言えば「アルファベットやbe動詞、I my me, you your you, he his him…..」をすっ飛ばして、つまり土台なしに上に積んでいこうとしても無理な話です。現に彼らは始め代名詞のリストをほとんど書けません。

 この土台作り必須科目が上記の3教科です。翻って理科と社会は一言で切ってしまえば「暗記」でおしまいです。勉強するのも教えるのも楽なものです。いや、学生の暗記を教師が代わりにすることはできないので、実質「教える」という表現自体成り立ちません。強いて言えば暗記法を教えるくらいのものです。「その暗鬼が難しいんだよ」と生徒に突っ込まれるのは承知ですが、話がずれるのでここでは暗記法等については触れません。(「暗鬼」という表記はミスタイプではなく、生徒の怒りを表したものです)

 どれだけ手垢の着いた言葉でも、真理である限り言うほかないというのが心苦しいのですが、この土台作りはコツコツ丁寧にゆっくりやるしかありません。だから1年生の時点で委託された場合は、すでに内心ほっとしているのです。なんと言っても時間があります。土台の部分でこぼした箇所を少し埋めればそれで波に乗ります。そういう意味では早めの対処で重症化は防げます。3年生の最後に受験の為に、という委託は時々頂くことはありますが、正直なところ結果は芳しくないでしょう。

 タイミングはともあれ、その時点でもう一回初めから土台作りの手伝いをしてほしいという内容であればいくらでも作るのですが、当然のことながら「その場しのぎ」は長い目で見て無意味ですので、その点の理解を頂けるだけでも大いなる差なのです。今日の学生のリアクションはその典型的な例です。

「今日なんでそんなにイライラしてんの?」

「・・・・・・・・・・・・・、いやわかんないです」

「いつもやってる1年生のワークはあんなに気分よくやってんのに、なんで今日のテスト範囲の勉強がこんなめんどくさいのか、ちょっと考えてごらん」

 土台無しに積み上げでもナンセンス、というのは言われてみれば子供でも大人でも当然に思う話です。理屈は誰だってわかるものです。理屈ではなくて、僕に最も考えさせるのは「現に目の前の人は本当にそれが分かっていない」という現実です。英語で”long sighted”というと「長期的展望のある」です。longをshortにすれば逆の「目先の」になります。また”essentialism” 「本質主義」という言葉を持ってくると、ある意味「長期的展望のある」と「本質主義」は同義です。

 何が一番大事なのか。

 3教科のうち数学はともかく、英語は少なくとも大学まで、国語(日本語)に関しては確実に一生ついてまわるものです。目先のテストで基礎の時間を削る、別にそれくらい・・・と思う人も少なくはないと思いますが、そこで最も損なわれているのは「基礎に割く時間」というよりも、「できもしないことを無理にやって余計に嫌いになること」です。まさにその苦渋の表情を生徒の顔面に見た今日のうちに記しておこうと思いました。