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講師のブログ・Q&A

  • 男性の講師です
    東京都世田谷区
    40歳
    米ハーバード大学大学院/東京大学大学院 Harvard Graduate School of Education/ 東大人文社会系研究科

ハンドルネーム:HGSE2020さんのブログ

医学部受験/AO入試=就職活動、モチベーションを一気に高めよ❗️

『医学部入試や総合選抜(AO)が受験の中心を占める時代の受験戦略』
(大学教員/最大手予備校講師/ハーバード大アンバサダー)

 医学部入試は一般の受験に加えて「志望動機」「小論文」「面接」の3つが医学部3点セットとして追加されます。
 東大や九州大学は最後まで面接の導入にゴネたりしていましたが、ついに白旗をあげて導入しています。私立でも順天堂大学医学部は2009年まで親の面接(!)までありましたが、いろいろな批判を受けて、今はありません。

例えば法学部が、法律をなりわいに生きていく人ばかりでないのと違って医学部の場合は、試験の合格率も高いですし、ほぼほぼ大学入試と同時に将来の方向性が決まってしまうので、就職試験の要素が高いです。それに、別に開業医や一般のお医者さんに、高度な数学の素養は実はあまり必要ないのです。ですからこの方向は、正しいといえますでしょう。そしてこの時期は推薦入試が医学部で多く行われています。学校長が推薦状を出すのが推薦入試ですが、例えば筑波大学は4.3以上の評定平均が必要で、例えば私立の東邦大学医学部は3.7以上が必要です。東京医科歯科大学を最難関の1つですが、その医学部入試をAO入試で受けるなら、4.7以上の評定平均必要で、勉強だけでなく学校の成績や教師からの評価も重要です。

そして、医学部の場合は面接も、例えば大手予備校は配置図まで持っていますから、万全の対策ができます。どんな部屋でどのくらい待たされてどのように呼ばれてどのドアを入って、いくつのグループでどのように質問が展開されるのかなどです。大体80ほどの想定問答を事前に完成させておくと、ほぼAレベルの回答が来るんでしょう。面接や志望動機については、学力試験よりもはるかに下に見たり、対策の方法がないと思って当日そのまま臨んでしまう人がいますが、あまり得策ではないでしょうね。仕事を決め、例えば順天堂医学部や日本医科大学医学部は事前に立派なものを提出させますが、マス目まで鉛筆で下書きをしてきれいに清書して、後から升目を消しゴムで消す、といった方法がとられることが多く、一見して、すごくきれいな文書に見えます。

私立大学では医学部は1月4日あたりから出願(書類提出)が多いのですが、この時期は共通テスト直前で、二次試験に私大の試験に備えた非常に重要な時期です。この直に提出書類のチェックを何十も頼まれるのですが、正直、この時期には遅すぎるというのが実感です。できれば「高校2年生までにやっておきましょう」。

それでモチベーションが一気にパワーアップしますし、将来像がクリアになって、脳が発火します。

さて、医学部入試についてはこれまでもそうだったのですが、ここにきて、早稲田や慶応、東京大学や京都大まで、同じ様相となってきています。

慶応大学では小論文を2本書かせるAO入試が1つのメインの形式となり、早稲田も同様です。東京大学にも推薦入試が導入され、京都大学にも特色入試があります。

東大の推薦と言うと、ものすごく難しそうですが、実は倍率的には、皆がそう考えてしまうため、最初の書類審査に受かれば、2倍ちょっと程度です。

僕が直接指導した学生さんで言うと、東大の推薦入試で言えば、参議院議員さんの息子さんや、父親がリストラされた後MITに進み特許を取った人の息子さん、といった、やはりチャレンジングな家計が多いです。「ほんとに受かるんですか?」とか、「有利なんでしょうか?」みたいなことをいちいち気にするお母さんだと、一般入試との両立がストレスになってしまうでしょう。圧倒的にエキサイティングなチャンスが人増えた、高校2年生までのリソースで1つ挑戦してやろう、と言うカルチャーでなければ、なかなか難しいかもしれません。実際に、たった1人だけ、途中で諦めた人を知っていますが、そのケースは、一般のサラリーマンさんと、薬剤師のお母様のお子さんで、リスクをとってでも挑戦してみると言う文化は、その家庭にはありませんでした。とは言え受けていたなら受かっていた可能性が高いと思いますので残念ではありますが。

さて、そんな状況ですから、少子化に伴って、受験が簡単になっていると言うのは、実は平成時代の話です。今は、上で述べたような様々な受験のタイプが現れているので、もともとの筆記試験1本の受験の枠自体はどんどん小さくなっています。難しくなっているわけです。ですから、少子化の影響以上に、一般受験の枠は減っていると考えなければいけません。

大きなものの考え方として、1つに従来型の筆記試験重視の受験に対応できる受験力をつける事は当然です。学力はとても大切なものですから。

しかし同時に、高校2年生までのリソースを生かして、東大でも医学部でも早稲田でも慶応でも海外の大学でも構いませんが、もう一つ現れている大きな入試(推薦やAOなど)への備えをしておくと、チャンスが2倍以上に膨らみます。

そして、客観的なチャンスや回数が増えると言う以上に、中だるみの時期である中学3年生や高校1年生の時期を、モチベーションに満ちた期間に変えていくことができます。

第二の入試(上で述べた総合選抜、AOなど)では、部活動、英検などの英語の資格試験、スイミングスクールや書道を含めた様々な資格、ボランティア活動などがPRポイントとなり、点数化され、一つ一つが人生の実績として評価されるからです。これだと学力を絡めると、大変面白いシナジー(相乗効果)が生まれます。

そのようにして数年間を過ごした中高生と、勉強と部活は何も関係ないと考えてボランティア1つを行わずに過ごした中高生では、数年後の総合力に加えて、学力にも大きな差がついてしまいます。

今がまだ、受験学年になる前ならば、そうした受験についても、よくよく考えてみて、そして積極的に取り組んでみても良いでしょう。関心のある人はご相談でもください。